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モトサイの男たち―ソイと女の魔術師
タイの首都バンコク。多くの交通量と、それに伴う渋滞で、世界に名の知れた都市である。バンコクでの交通手段と言えば、メータータクシー、市内バス、BTS(高架鉄道)、そして、観光者の御用達トゥクトゥク(三輪バイクタクシー)などがあげられる。


しかし、パタヤ内における移動手段は、バンコクのそれとは少し異なる。パタヤの街は、ビーチロード、セカンドロード、そしてサードロードと三つの大通りを中心に~そこから伸びる多くのソイ(小道)で形成された単純構造。

そのため、人々が移動する際の乗り物は、大通りを走るソンテウ(乗り合いタクシー)。あるいは、ソイ(通り)から外れた場所に行きたい際に利用する
モトサイバイクに限られるのだ。パタヤを訪れる観光者は、このどちらかかを巧みに使いこなし、市内を移動することが求められるのである。さて、日本でタクシーを利用する際、我々が運転手に求めることと言えば何だろうか?それは、「目的地までの到達時間」。そして、「目的地までの料金」の二つだろう。「いかに早く、いかに安く目的地へ着くこと」 が、我々がタクシー運転手に求める必須事項なのだ。


「こっちの方が近道だから・・・」。「これは高速を使った方が安くつくね・・・」。お客とすればうれしい言葉だ。そういう運転手のタクシーに乗り、我々は、今日はいいタクシーに当たったと満足するのである。そして、同じことが、ここタイでも言えるだろう。あなたは観光客、そしてホテルの前のモトサイを捕まえる。「モォーサイ~!」。モトサイが尋ねる。「どこまで?」。「●×センターまで。いくら?」。「▲×バーツだ(ボッタクリ料金)」。。こんなのうれしいはずはない。。また、値段も聞かずに乗って、遠回りされ。後に多めの料金を請求されても、街の構造を何も知らない人にとっては、何も言えないのが現実なのである。。


しかし、パタヤの構造をある程度、知っている我々長期滞在者にとっては、彼らもボッタクリは禁物!料金もタイ人相場価格で事前交渉するせいか、「早くこの客を目的地まで連れて行き、次の客を取ろう」という考えが、彼らの頭の中に浮上するようだ。そのため、「ヘェ~こんな道あったんだ」。 「なるほど。ここへはこう行けば早いんだ・・・」などど、妙な関心をする時も多い。


そう、彼らは
ソイ(通り)の魔術師!市内の近道、裏道、車では通れない荒道など、全ての市内構造が、彼らの頭の中にはインプットされているのである。しかし、残念ながら、やはりここはタイだった。。日本とは違い、タイ、そしてパタヤには、仕事に忠実なモトサイドライバーは少ない。彼らの中には、客を多く取ろうとか、取りたいという考えの持ち主は少ない。。やはり彼らも所詮はひとりのタイ人男子。彼らの頭の中は、女の事でいっぱいである。そう、彼らは女の魔術師!でもあった。


タイが誇るリゾート地パタヤ。もちろん、ここには観光客ほか、多くのタイ人が住んでいる。それは、街の至る所に溢れるバービア、GOGOバーで働く娼婦たちも然りである。そして、その娼婦たちのほとんどは、アパートから店へ出勤する際、店から帰宅する際、お客を連れホテルに行く際、いかなる時でも、モトサイを利用する。彼女らが働くバーの周りには、モトサイの基点地がある。また、彼女らが住むアパートとは、そのほとんどが繁華街から外れた裏街道にある。もちろん、そんなところにも、モトサイの基点地はある。


彼女らにとって、モトサイは生活の一部。彼女らが、一人のお客よりも接する機会が多いのがモトサイなのである。。モトサイは、どこにでもいる。モトサイは、いたる所を走っている。そして、基点地でヒマしてるモトサイの男たちは、仲間と女のことを話している。



あるバーの前に基点地を持つ
モトサイの男が言った。「あそこの店に新しい子が入ったの知ってるか?」。仲間のモトサイが言う。「ああ、スリンから出てきた子だろ。この前、仕事帰りに乗せたよ。彼女まだ18歳だぜ」。「お前、あの子と話したのか?彼女、どこに住んでるんだ?」。。「ソイ○×にあるアパートだ。まだこっち(パタヤ)では、男も出来てないって言ってた」。「よし!今度、彼女が乗るときは、俺に仕事を回せよ・・・」。


また、あるバーの前に基点地を持つモトサイの男が言った。「××GOGOバーの、ニン(仮名)。あいつ、ついに彼氏と別れたらしいぜ。お前、あの子のこと、色が白くて可愛いって言ってたじゃん」。。「まじで?」。「うん、カラオケで働いてたあの彼氏、他に女作って、彼女捨てられたらしい。昨晩、仕事終わりで彼女をディスコまで乗せたんだけど、もう男はウンザリって叫んでたよ」。。「よし、じゃあ今度、電話番号でも聞いてみるか・・・」。バーの前に基点地を持つモトサイは、そこで働く娼婦たちと普段から会話をしている。たまには、近くの屋台で食事を共にする。彼女たちが、いつ、何時に、どんな客に連れて行かれたかも知っている。そして、彼らは、隙があれば彼女らを口説きにかかる・・・。


あるソイに基点地を持つモトサイの男が言った。「あそこの
アパートに引っ越してきたオー(仮名)、可愛くない?」。仲間のモトサイが言う。「いいよねぇ!あの子、細くて」。「俺、いっていいか?」。。「お前しばらく女とやってないしな。いいヨ、いけヨ。。あの子、けっこう夜の仕事長そうだしな。口説き落とすの簡単なんじゃないの。。おっ、ちょうど彼女出て来たぜ・・・」。モトサイの男は、彼女を店まで送る。。その途中、、、「ねぇねぇ、今、彼氏いんの?」。彼女が言う。「田舎にいるけど」。「まだ、連絡は取り合ってるの?」。「週に一回ぐらいかな。。でも、彼、いい男だし、浮気者だから心配なの・・・」。


「今日、仕事終わったら遊びに行かない?」。「え~やだよ、彼氏いるって言ってるじゃん」。。「いいじゃん!飲みに行こうよ。俺がおごるからさぁ」。。「う~ん、じゃあ友達もいい?」。。「OK!俺も一人連れてくるよ」。。「OK!」。。そして、彼女の店に到着すると電話番号交換、そして、「じゃあ2時過ぎに迎えに来るよ、モトサイ代はサービスね」。「サンキュー!じゃあ、あとで・・・」。タイ人とはこんなフランクな感じだ。


彼らモトサイの男たちは、あなたよりも彼女と接する機会が多いのが現実である。あなたの知らない所で、彼女を口説いているのが現実である。あなたの知らない所で、恋人同士になっているのが
現実である。全てのモトサイが、そうだとは言えないが、こういう現象が驚くほど多いのがパタヤなのである。カラオケから仕事を転身したモトサイ男。貢ぐクンと化して、売春婦彼女の帰りを待つモトサイ男。新たな彼女を探すべく、売春婦たちの様子を常に伺っているモトサイ男。。



あなたの可愛いタイ人彼女は、もう彼らの手中にあるのかもしれない・・・。
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