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ブラックマジック in パタヤ―南国娘たちの甘い媚薬
タイに長く住めば、そして、テレビ番組でもよく見かけ耳にする言葉BLACK MAGIC(ブラックマジック)。直訳すれば黒魔術だが、ピー信仰(精霊信仰)が深く根付いているタイ人(特に田舎の人たち)にとっては馴染みのある言葉である。それはシャーマニズム(呪術的)な行事とか、未来を占う祈祷師だったり、医者的な役割だったりと様々あるが、その対極にある呪い(洗脳)のような雰囲気のものでもある。そして、巷ではタイ人女性に骨抜きにされているような外国人男性に対し、皮肉を込めて使われる言葉でもある。


これは僕の友人Aさんがパタヤでのビジネス(商売)に関わることになった際の出来事である―。それは数ヶ月前のこと、パタヤに長期滞在している知人を通して、Aさんに某○×店のOPENを手伝って欲しいという話が回ってきた。簡単に言えば、現地でのセットアップ(店舗立ち上げ)のコーディネートである。

依頼主は、ここ数年パタヤを訪れているという日本人のB氏。彼はパタヤで知り合ったタイ人女性を使い、ある業種の店をやりたいとの話で、パタヤ在住歴も長いAさんが紹介されたという経緯だった。B氏がAさんに現地でお願いしたいことは、先ず場所探しから始まって、賃貸の際の契約問題、店舗デザイン、そして工事と、ほぼ丸投げ状態。もちろん一緒に手伝うタイ人彼女との通訳も兼ねて、全て任せたいという内容だった。B氏はタイ語はもちろん、英語もほとんど話せない70歳近い老人でタイ事情にも疎い。そして、パタヤ在住の知人から紹介されたこともあり、Aさんはお手伝いという形で力を貸すことにしたのだった。


さて、(その際)手伝うにあたり、Aさんからの条件はただ一つ。それは物件(店)の賃貸契約をB氏の彼女(タイ人)の名義にしないこと。そして、Aさんサイドのタイ人名義にすることだった。それはAさん側からすれば、手伝う以上は自身にも諸々責任問題が降りかかってくることになる。だから自分が知って長い信頼できるタイ人の名前を紹介(提供)するという、言わば保証人のようなもので、B氏と彼女の関係も知り合ってまだ間もないこと、かつ、B氏は日本に妻子もいる愛人(ミヤノイ)のような存在だったことから判断して出した結論(条件)でもあった。パタヤで数々のトラブルを体験し見てきたAさんにとって、最も気にかかる不安要素はOPENするまでよりもOPENしてから。それはB氏と彼女の関係が今後もうまく続くのかという一点だけで、万が一何かあったとき、二人が金銭面で揉めることがないように、仲介者としての立場をとった一つの
防御策でもあった。


そして、皆を交えた話し合いの末、B氏とタイ人彼女は、Aさんが出した条件を承諾した。もちろん、彼女側(タイ人)からすれば、「自分の名義になるところを邪魔しやがって・・」と話がこじれる可能性もあっただろう。しかし、彼女はこれまでタイで商売などしたこともない素人同然の身(何も言えない・・)、そして、当の本人であるB氏も「彼女との関係が今後も続くかどうかは分からない・・」などと曖昧な返答を繰り返す始末だったからでもあった。そんな折、僕もB氏に何度か会い、いろいろと話す機会があった。人見知りで用心深い僕は、(基本的に)この手の話を振られても簡単には引き受けないようにしている。(実際)過去に騙された苦い経験もあるし、「商売とは気心の知れた仲間(同志)と楽しくやるものだ♪」と自分自身、勝手に決意表明しているからでもある。だが、今回は旧知の仲であるAさんからB氏を紹介されたため、僕は「できる範囲内でのアドバイス(助言)、店舗デザイン(工事関係)の提案、WEBサイトでの紹介ぐらいならお手伝いしますが・・」と、とりあえず、一歩引いた位置で行方を見守ることにしたのだった。


それから、Aさん主導での立ち上げがスタートした。賃貸する物件探し~オーナー(タイ人)との直接交渉~契約!と首尾よくことは運び、そして、工事を始めてから約一ヶ月半。ようやく店も完成が近づきOPEN日も決まりそうな頃合、日本に帰国していたB氏がOPEN立会いにとタイへ戻ってきた。もちろん、皆が待ち望んでいるであろう瞬間の到来、これから始まる新しい船出に不安と歓喜の入り交じる面持ちでいるはずだった・・。しかし、事態はある日を境に急変した。B氏がタイに戻って間もなくして、彼女(愛人)であるプイ(=仮名)が彼に最後のおねだりを言い出したのだった。彼女は言葉の通じないB氏相手に、ある晩、
指さし会話帳片手に泣きながら必死で告げてきたという。「やっぱり名義をワタシに変更してもらえないか?ワタシはあなたの面倒を100%見たいから・・」。そして、「彼(Aさん)はアナタを騙す可能性がある・・」とまで。もちろん、タイ語が話せるAさん(通訳役)のいないところである。「き、きたーー!?ついに本性を現したか・・」。その話をB氏から聞いたAさんは思った、それは「ワタシは彼(B氏)の財産を100%欲しいの・・」の間違いだろう?ただ、どちらを信じるかは結局、資金を出資するB氏の判断に委ねられることになった。



愛し合っているはず(?)の二人だが、タイでのビジネス(商売)を始めてだいたい1年もしないうちに別れて、全て店(権利)は彼女サイド(タイ人側)のものに・・とか、最悪の場合は後にタイ人彼氏(旦那)が出てきて更にこじれて
転売とか、日本人およびファラン(欧米人)は、ただ言われるがままにキックアウトされて何も出来ず泣き寝入り・・なんてトラブルはパタヤではよくある話である。その後、立ち直れない外国人をこの10年ほど頻繁に見てきた。商売がうまくいく、いかないは、もちろん本人たち次第だが、Aさんはパタヤでの商売に関わる以上、このケースだけは何としてでも避けたかったのである。そして、それはイコール自身の信用問題に繋がることだからでもあった。


そして、よくよく思い返せば、不安要素がなかったわけでもなかった。Aさんがプイ(B氏の彼女)の態度にちょっとした異変を感じ始めたのは、店で働くスタッフとして、田舎から友達を数人呼び寄せ~物件上階にて仮住まい開始、それからしばらく経った頃だった。その中にキック(=仮名)という女性がいた。彼女は以前にファラン(欧米人)彼氏がいて、その人の出資でタイでの商売を経験したことがあるらしく、しかも外国にも頻繁に行ったことがある、と言わば出戻り組の売春婦(専らプロ)といった様相であった。夕方過ぎまで店(工事)の手伝いをすると、いつの間にやら厚化粧のセクシーボディコンへ衣替えしどこかへ出かけていく彼女の姿を見て、僕らは、「たくましいけど何かトラブルメーカーっぽい気の強そうな女だよね・・」などと雑談をしていたのだった。


そして、そんなキックからの後押し(助言)があったかどうかまでは不明だが、その後プイはAさんの知らぬ間に、賃貸しているタイ人オーナーにも直接交渉。不審に思ったオーナーがAさんに連絡してくる有様で、結局、「名義を再変更するには一度契約を解除した後、改めて契約金(保証金)であるデポジットを支払わなければならない」というオーナーからの強気の答えが返ってきた。しかし、それでも彼女は、その云万バーツもB氏が支払うのだから、お構いなしとばかりの行動に打って出たのだった。僕らのようにタイに長く住んでいるような人を、彼女たちは皮肉を込めた言い回しで「コン・ルーマーク(よく知っている人)」、つまり、「タイ事情(相場)を知りすぎな人」といった感じで敬遠してくることが多々ある。それは夜の店においても然りで、逆に言えば、僕らが「あいつはプロだな・・」などと皮肉るのと同様のものでもある。(自業自得!?)


ただ、とにかく彼女側からすれば、B氏との関係が今後も続くか心配、、B氏がパタヤを更に知り~新しい女(愛人)が出来たとき自分は捨てられるかも・・という不安、、それを埋めるための保証が店の権利(名義)を自分のものにするということなのである。だから、それが国際結婚しているタイ妻だとか、もし別れたときは全部くれてやる・・ぐらいの寛容な気持ちであるならOKだ。しかし、後々失敗したときに問題が起こったときに、「タイ人に騙された(持っていかれた)」とか「現地在住の変な日本人に騙された(ハメられた)」とか、執拗とも言える程、被害妄想に取り付かれるような人が多々いるような気がする。異国での商売、異国人を使っての商売である。日本で商売したことがある人なら未だしも、投資額(物価・人件費)が安価だからといって、ちょちょっと小銭を出せばうまくいくなどと思っていること事態がそもそもおかしいのである。しかし、そんな厳しい現実をタイ人が教えてくれるはずもなく、そこには甘い考えと誘惑の言葉しかないのが現実である。


そして、彼女サイドの意見を散々聞かされ、ベッドの上で延々泣きつかれたからといって、それだけを簡単に信じ(情で流され)受け入れてしまうのは、すでに彼女の
BLACK MAGIC(ブラックマジック)にかかっているという話である。それから、しばらくしてB氏はプイのおねだり作戦にあえなく陥落・・ぐへぇ↓)。この後、また何かしら問題が出てくるに違いないと感じたAさんは、OPEN目前にして、この商売ゲームから降りることを決意したのだった。そして、最後の忠告とばかりに、「(最低でも)彼女の名義以外で商売を始めること!」をB氏に勧めて、Aさんは撤退したとのことだが・・さてはて)。では、今後どうすればいいのだろうか?と言えば、意外と危険なのが外国人(日本人)の名義である。タイでの商売経験がない外国人は(タイは法律もアバウトだろうと)簡単に自分たち本人の名義を使うが、ビル(建物)の賃貸契約を外国人の名義にすると、ビジネスをスタートさせた後、ワークパーミット(就労ビザ)や税金問題が自ずと出てくることになる。(外国人名義に対してのチェックは何かと厳しい・・)


また、女性側からの何気ない一言、あるいは誰かがチク(密告)った場合、その辺のチンピラ(小マフィア)とか警察がこずかい稼ぎにせびってくるようになる。商売が仮にうまく進んだとしても、周囲の競合店がやっかみを覚えれば、何かと邪魔してくるケースもある。たかってくる奴らは、名義や税金、ビザ問題、はたまた営業時間に室内禁煙、店で流している音楽(映像)の著作権までと、、とにかく、あらゆる手段(顔)を使って仕掛けてくる。スキを見せれば追加出資(名ばかりの援助)から逃れることは出来ない。最悪の場合は
不法就労容疑で逮捕・・(スタッフへ口頭指示をしただけで逮捕された例もある)、罰金を支払う羽目になるのはもちろんのこと、日本へ強制送還(数年間タイに入国できない)という事態にもなるのである。以前、韓国系マフィアに目をつけられ、結局、タイ国外退去の憂き目に遭った日本人も実際いるのである。


物件を借りる際、現在ある品物(所有物)などの物権を転売できない旨を契約書に記入して守るのは出来ないことではないだろうが、ここはタイランド、そしてパタヤである。仮に、裁判沙汰になり勝てたとしても、全て戻ってこないのはタイを知って長い在住者なら皆知っていることである。そして、もちろん
弁護士を雇うにも金がかかるのだ。また、揉めてしまった際に更に他人があれこれ口出ししようものなら、タイ人サイドから恨まれることにもなるし、泣き寝入りは目に見えている。そうなってしまうと、アウェイで外国人の我々はもうどうすることも出来ない。だから結局は、大小問わず何か問題が起きたときに現地でのコネクション(機敏かつ強固な対応)がないと簡単に生き残れないのが現実なのである。そして、いざ困った時に意外と冷たい他人面、トラブルに巻き込まれたくないというのが(所詮)異国での人間関係というものである。


しかし、そんな忠告話も結局、南国で浮ついてしまっている人の耳には届かないようで、しょせん酒の席での雑談程度のことなのだ。「自分は問題ない(大丈夫)・・」と思った時点でもう怪しいもので、異国では生きられないタイプだとも思う。我々現地でいろいろ体験し見てきた人間からすれば、第三者としての俯瞰目線で、そして同胞日本人として、後々のことを心配して助言しているのである。だが、まだ知り合って間もないタイ人女性の意見にコロッと従ってしまうのが南国での現実。そうなると、もう何も言えないし、信じてもらえない。そして、彼は言葉も通じないし、タイ事情も知らないし(知ろうともしないので)、尚更どうしようもない。そして、厳しい意見を言う在住日本人はすっかり騙すつもりのホラ吹き野郎となり、全ては目の前の甘い情事にのみ判断を委ねることになる。(ホロ苦・・)



バービジネスなどで、外国人の彼氏に店の権利を買ってもらって営業スタート。で、彼氏(常客)のいない間はタイ人男(彼氏)と友達たちの溜まり場になっているのはよく見かけるケースである。そして、商売に大してやる気もない、(どちらかと言うと)おしゃれと遊びと経営自慢にご執心の彼女は赤字を出してもお構いなし。数字以上に補てんしてもらい、そのうち利益が出ないと、すぐ飽きる。その後、自ら店を「居抜きでの権利売買」という形で売って金銭を得ることになる。そして、援助が乏しくなれば、客との関係が終われば、また新たな客探しに街へ出る。結局、そんなことの繰り返しなのだ。(多分)


ファランド(タイランド)特別区、イサーンレディーの夢の町パタヤ。田舎から出稼ぎにやってくる彼女たちの合言葉は、宝くじ(ロッタリー)で当てるか、ファラン(欧米人)の彼氏を作ることである。それは人生逆転の唯一の方法。出会いからわずか数日、数週間で洋服に金(ゴールド)の指輪、美容に歯の矯正に整形手術、バイクに車、そして、ゆくゆくは田舎に家を建ててもらう。愛する家族(子供)を一手に背負う彼女たちには壮大な夢があるのだ。ただ、そこには苦労とか努力といった価値観はさほどなく、単純な動機と甘い考えばかりで、専門学校に通わせてもらったり、ビジネス(商売)への出資を求めてくるのがザラである。そして、それは終わることなく延々と続いていく。ここタイ(パタヤ)売春婦たちのベーシックコースは昔も今も、そして、きっと明日も変わらないのであろう。(アーメン・・)


古代クメール(カンボジア系)や山岳民族系など、田舎地方によってはシャーマン(呪術師)のような人物がいたり、「意中の人との結婚(恋愛コントロール)」、「他者への呪い」といった術ブラックマジックが実際存在し、多少の金銭を払えば依頼できると言われる。そして、イサーン娘の多いパタヤでも、その手の話はごく普通に転がっているのが現実である。Aさんが今回のビジネス(商売)で割り出した予算は、店舗の年間賃貸~工事まで合わせて計100~200万円程という感じだったが、プイ(彼女)が出会った当初B氏に告げた金額は300万バーツとの話だった。(円じゃなくてバーツ!どんだけぇ?)全くそれを鵜呑みにしていたB氏のお人好しにも程があるし、しょせん、その程度の軽い考えで、異国での甘い青写真だけを思い描いているのである。それこそ第三者から見れば、明らかにブラックマジックにかかっている・・という様相なのである。(恋は盲目↓情は洗脳?)


そして、Aさんは同じくパタヤ在住歴が長いアメリカ人の友人にも、今回起こった出来事を諸々話したそうだ。彼の返答は簡潔だった。「そうか、それは問題が大きくなる前に関わるのを止めてよかったな・・」とAさんに同情した様子だった。そして、いろいろ騙された外国人を僕ら以上に見てきた彼が最後に締めた一言が全てを物語っていると思う。
「Welcome to Real Thailand !!」。そう、ここはアメージングタイランド、日本(外国)での常識や価値観など一切通用しない裏世界は、その辺からふと顔を覗かせている。そして、自己満足な男たちは、今日もまた南国娘たち特製の甘い媚薬にほだされながら、一時の夢物語の中で、のんびり背泳ぎを決め込んでいる。
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