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おんぼろバス格闘劇

話は、バンコクからパタヤに戻るバスでのこと。あいかわらず、こういう移動の際では、睡眠を決め込むボクは、乗車して数分後には、夢の中へと誘われた。それから、およそ1時間ぐらいが経ったのだろうか。

「ピチャッ!」。
んっ??顔にひんやりとする感触で、目を覚ました。上を見上げると、各席上部に付いている簡易エアコンの脇から、水滴が漏れて落ちてきているのだった。

「やれやれ、面倒なことになった…」。
「おいっ!エアコンの水が漏れてきてるぞ!何とかしてくれ」。と、当然、係員に文句を言いたいものの、ここは、バスの中。。バス内には、乗客のほか、運転手しかいない。 「ううっ、参った…」。水漏れは、更にひどくなり、ボクの顔やら、洋服に容赦なく降りかかってくる。

「これだから、タイは困るよ」。。見れば、その部分には、何か粘土のようなもので修理した後が。。「ははぁ、元々、水漏れしていた箇所なわけね。。」


席を移動しようにも、バスは満席状態。
立つのは、ヤダ。パタヤに着くまでは、残り1時間。。「ううっ、我慢できない…」。。ということで、ボクは、窓にかかったカーテンで、水漏れ箇所を押さえてみたり、財布の中にあったバンドエイドを、装着してみたりした。


全く、意味なし…。(汗)


バス内のエアコンは、ガンガンに効き、その反動とばかりに、ヤツ(水滴クン)は更なる勢いを増す。「この野郎!この野郎!」。声には出さないが、カーテンを使い、修理してある粘土部分をいじくってみる。


「ボタボタボタ~ッ!」。


逆効果…。変にいじくったせいで、今まで溜まったウップンのように、水滴クンは、ここぞとばかりに、ボクの顔めがけて、襲い掛かってきた。「まじ、最悪…」。そして、そんなボクの格闘劇も知らずに、周りのタイ人たちは、すやすやと夢の世界へと浸っている。


「まじ、憂鬱…」。


「俺が何をしたって言うんだ…」。
座席番号は、36番。。何かこの番号に意味があるのでは、などとカーテンで水漏れ場所を押さえながら考えてみる。「サブロー?サムッ(寒)?サムホック(タイ語)?」。答えは見付からない。(当然) たまたま乗った時間帯のバスで、たまたま割り当てられた座席番号。運が、悪いにも程がある。。


「俺が何をしたって言うんだ…」。
「ううっ、こうなったら最終手段!」。ボクは、胸から下げている仏陀のお守りにキスをし、こうつぶやいた。「ルアン・ポー、チュワイ・ドゥワイ・ノイ・カップ (偉大なる大地の父よ、助けて下さい)」

すると、どうだろう。
たちの悪い悪ガキ状態だったにっくき水滴クンは、ぴたりと悪さを止めたのであった。そして、上を見ても、その後、ヤツは全く落ちてくる気配すら見せなかった。ああ~、仏陀を信じていてよかった。これは、日頃から、家の仏陀に、水や生花を供え、お祈りしているおかげだろうか。


ふと、前の座席を見ると、ファラン(欧米人)のガキが、何やら手を、しきりに上に振りかざしていた。よく見ると、彼のエアコンの脇からも、水滴がポタポタと落ちているようだった。

「ふっ、お前もか、ボウズ。がんばって克服しろよ。」

が、彼は、まだ、ただのガキだった。彼は、落ちてきた水滴を手の上に溜め、遊んでいるのであった。(汗)


仏陀より、ガキのほうが偉大だった。。。
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